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死んじゃえ

 

殺したいほど嫌いな人って  みんな気軽にいるけど

そういう類の人間じゃない  

彼女は

 

彼女は  美しい人だ

美しくて  美しくて  美しい人

この世の生き物かと何度疑ったか

彼女は生きている物全ての中でダントツに美しい

白雪姫の鏡があれば  映し出されるのは彼女だろう

質問するまでもない

彼女は美しい

 

天は二物を与えず  という言葉がある

でも彼女は違う

特別

この世で一番美しいのだから

彼女が美しくない時はなかった

 

私が欲しいもの全てを持っていた

 

彼女の笑顔は誰をも魅了する

その無邪気で  悪そうな笑顔

自分が可愛いことを知っていて  一番だと知っている

その柔らかそうなほっぺたは  誰に触られたことがあるの?

 

でも彼女が一番美しい瞬間は  泣いている時

無表情で泣いている時

怒ったように泣いている時

苦しく泣いている時

 

でもそれはどれも自分が美しいと知っての涙

 

もし  私が彼女になったなら

絶望することはもうないのだろう

彼女は美しい

もう  この世に飽きることもなくなるんだ

自分が美しいことを知っていながら  息をするのは

どんな気持ちだろう

 

彼女はきっと  死ぬ瞬間も美しい

この世で一番美しい

 

彼女はどんな味がするんだろう

 

食べれば私も美しくなれるのかな

 

彼女が死ぬ瞬間はどんな顔をするのかな

泣いてくれるかな

 

彼女を殺したい

 

私は彼女が大嫌いだ

 

美しいあなたがいけないのよ

そうして結局私はその他大勢なのだ

彼女を殺したい

 

美しいあなた

 

 

死んじゃえ。